ものの見方が変わる 座右の寓話を読み終わったので感想と教訓を書きました。

前から気になっていた本。

新書発売当初から迷っていましたが、しばらく(5年間)放置。携書化されていたので購入しました。

携書というのは初めて聞きましたが、どうやらディスカバー社の造語のようですね。

携帯しやすい本、ということみたいですが、文庫と同じようなことでしょうか?

著 者戸田 智弘
出版社ディスカバー・トゥエンティーワン
発行日2022年1月30日
ページ数319

寓話の目的は教訓や心理を伝えることであり、お話そのものはそれらを届けてくれる”運搬手段”である。面白さに気をとられているうちに、いつの間にか人間や世界、人生についての認識が深まっていくのである。

表紙袖より

寓話とは「登場させた動物の対話・行動などに例を借り、深刻な内容を持つ処世訓を印象深く大衆に訴える目的の話」2p

本書では何かしらの教訓が得られるものであれば「寓話」であると幅広く解釈している。

本書は15の章で構成されている。

第1章 視点と視野と視座

 6つの寓話を通じて、視点を変える大切さ、視野を広げる考え方、視座を変える考え方等を教えてくれます。

おなじみのアリとキリギリスの寓話も掲載されています。ここから何を学べばいいでしょうか?

著者が教訓を説明してくれていますが、自分なりの教訓を見つけるのが大事だと思います。著者の意見はあくまで参考として。

第2章 幅広い認識としなやかな思考

おなじみの「無知の知」の話が載っています。5つの寓話で面白かったのは、「京の蛙と大阪の蛙」かな。

早合点するな、というのが教訓みたいですが、ここで出てきた教訓でぼくが一番ためになったのは、早合点しないための話の聞き方。

そのうちの1つで、「確認すること」

話を聞いて理解した気になって、実は相手の真意とは違う解釈をしていることが、多々ある。

それって多分こっちが話す時も同じ。相手が本当に理解しているかを確認しなきゃいけないってことですね。

「知識があるほど視野は狭くなる」42p

知識を増やすのは大切だけど、その分先入観にとらわれやすくなるということを知っておかないといけないってことですかね。

第3章 思慮深さと正しい判断

ここでは有名な、「ビンの中の石」の話が載ってます。

内容は読んでいただくとして、人生の優先順位の大切さを諭した話。

人生の時間は有限。優先順位を正しく判断しないと、いつの間にか年を取ってしまう。

耳が痛い話だな。でもやりたいことってなかなか無いよなあ。ずっと本読んで生きてたい・・・・・・。ってことは、結構本読めてる最近は、やりたいことができてるってことか。

第4章 聡明さと創造的な仕事

ここでは宮崎駿のエピソードが印象的だった。

「大事なものは、たいていめんどくさい」

仕事ってめんどくさいの連続。でもそれが大事。

ぼくの仕事もめんどくさいことばっかり。でもそれが当たり前で、それが仕事なんだと思えたら、少し気が楽になる。

ほんっとめんどくさい世の中だよなあ。

あとは、「誰でもできる仕事」に+αして「自分にしかできない仕事」にする。ってのも大事だな、と思った。

仕事で「使える人間」は「小さい頃に家庭でお手伝いをやっていた」らしい。お手伝いの過程で、仕事に必要な様々な能力が養われるそうだ。ホントかな?

今の仕事で必要なのは、上司の質問を聞いた時に、「なぜそれを聞くのか」をもっと考えないといけないということかな。いつも考えないといけないことだとは思うけど。

結構仕事の参考になる話が多い章でした。

第5章 強い組織の精神

「自責思考」「自分ひとりだけの心理」「多重チェックの罠」「新しい風」等組織を強くするための教訓が得られる。

第6章 働く姿勢と働く意味

会社とのマッチングの話が載ってた。マッチングで大事なのって、職業もだよね。

そう考えると、「psychoーpass」のシビュラシステムっていいよなあ。最適な職業、最適な生き方を教えてくれるって。

自分の能力を最大限発揮できる職業に就いた方が幸福度高そうだもんな。

働く意味ってなんだろう。

働くとは「傍を楽に」って聞いたことがあるけど、それだけじゃないよなぁ。

社会とのつながり、自分の成長、自己実現、社会貢献、いろいろな意味があると思う。ぼくは自分が働く意味をよくわかってないから、モチベーションがあがんないんだろうなぁ。

正義の心と共同体

よく知ってる話、「あの世の長い箸」が載ってた。

地獄と天国は実は同じところで、いる人たちが違うだけ、という話。

地獄の人たちは地獄に堕ちるような人たちだから、自分勝手で、人を思いやる気持ちがない。だから地獄のようになっていく。

天国は他者を傷つけるような人がいない。だから平和で、幸せに暮らせる。

要はそこにいる人たちが環境を作るってことかな?

う~ん、そう考えたら現世こそ地獄だったりして。

第8章 科学技術と社会の関わり

有名な「魔法使いの弟子」の寓話が。

制御できない力は大惨事を引き起こす。

「ドラえもん」のバイバインの話とかもこれに当てはまりそう。

人類は今、科学を制御できているのだろうか。地球は本当に正しい方向に進んでいるのだろうか。

今以上に便利になったり、宇宙とかを開拓するよりも、地球上の全員が不自由なく暮らせるようになるのが先決だと思うが。

第9章 人生の道理と「有難う」

教訓となった言葉。「後悔は過去を変えようとすること、反省とは未来を変えようとすること」185p

過去はどんなに嘆いても変わらない。変わらないことを変えようとすることは時間の無駄。よって後悔は無駄。

「足るを知る」的な話が多いかな。

いまあるものに感謝を。

第10章 欲望との付き合い方

真っ当な欲望を持つことの大切さ。

欲望を満たすにも知恵が必要。

したがって、学ぶことが大切。

人生いつでも学びを大事に。

第11章 学びの心得と学ぶ理由

常に学び、「刃を研ぐ」ことが大事。

7つの習慣でもあった、7つ目の習慣のことですね。

学ぶためには「素直さ」「謙虚さ」が必要。

第12章 挑戦と持続可能性

〇リスクをとる

〇心配は適度に

〇蛮勇と臆病の間

〇迷ったら「できます」

〇天は自ら助くるものを助く

〇継続は力なり(継続できなきゃ意味がない)

第13章 自分の物語の描き方

人生万事塞翁が馬、人生山あり谷あり、禍福は糾える縄のごとし

幸と不幸についていろいろ載っていました。

「良いときはおごらず、悪いときはくさらず」259p

人生いろいろ。ぼくの人生の物語はこれからどうなっていくのかな。

なんも考えてないけど((+_+))

第14章 生と死のつながり

死生観についての話が掲載されている。

ぼくは死後の世界は信じていない。人間は死んだら、終わるだけ。

残るものは肉体でも魂でもなく、「記憶」。思い出と言ってもいいかもしれない。

お金は残さない方がいい。全部使ってから死にたいな。

生について。

次世代に渡せるように、あんまり地球を壊さない方がいいよね。環境問題とか、最近は盛り上がってるけど課題は山積み。自分にできることを少しずつやっていこうかな。

第15章 どんなときでも「ものは考えよう」

残っているものを数える。ワンピースの一幕を思い出した。ジンベエがルフィに言う、あのセリフ。う~ん、ワンピースは人が生きるための示唆に富んだ作品かも。

人は頼られるとうれしい。だから困ったら人に助けを求める。そうかも。よし、今度からもっと周りに助けてもらおう。

「嫌われる勇気」ってやっぱりすごい本かも。「課題の分離」で人生だいぶ楽になる。

自分にできることをやる、自分ではどうしようもないことにはこだわらない。

感想まとめ

いろいろ教訓が学べる良書でした。

本書を読んで思ったのは、「諺」って凄いってこと。

本書に諺がたくさん出てくるわけではありませんが、大部分の教訓は諺で表すことができるってこと。

ちょっと諺覚えようかな。そしたらもう人生訓みたいな本は読まなくてもいいかも?