著者の鈴木俊隆(すずきしゅんりゅう)さんは、アメリカに仏教(禅)を広めた第1人者みたいです。
本書はスティーブ・ジョブズが愛読した「禅のバイブル」と呼ばれているそうです。
著 者 | 鈴木俊隆 |
訳 者 | 紀野一義 |
発行者 | 江口克彦 |
発行所 | PHP研究所 |
第1版第1刷発行 | 1998年7月6日 |
「禅へのいざない」とはどのような本なのか
本書は3部構成となっています。
第1部 正しい修行
第2部 正しい態度
第3部 正しい理解
この3部構成で鈴木老師のもつ「禅マインド」をじっくり教えてもらう、というのが本書の目的だと思います。
第1部では禅での修行について、いろいろと語られます。禅の修行とはすなわち「坐禅」です。ただひたすら座る。それこそが禅の神髄であり、禅そのものらしいです。
第2部では禅マインドによる「人生に対する態度」を説いているようにぼくは感じました。それは自分自身の表現の仕方であったり、人の話を聴く時の態度だったりします。禅の修行を積むことで、人生で大事な態度が身につくものだ、と言っているように思います。
第3部では仏教に対する理解を説いており、仏教は知識として理解するのではなく、修行をすることでしか理解することができない、と言っています。
ぼくが変わったこと
本書を読んでぼくが一番影響を受けたのは、「姿勢」です。
坐禅中の姿勢はもちろんですが、普段からの姿勢にも気を付けるようになりました。
仕事中の姿勢もそうですが、基本的に猫背なので、それをなんとかしようと思いました。
姿勢が悪いと呼吸がきちんとできないし、内臓にも負担がかかるようです。
正しい姿勢で過ごすこと。それですでに、正しい心の状態になっていて、それはもうすでに悟っているということ。う~ん、奥が深い。
マインドフルネスって「気付き」のことで、常に正しい姿勢でいるには、常に気付き続けていないといけないってことだから、それはもうすでに悟っているって言われても、納得してしまいます。
ちなみに坐禅の正しい姿勢は「結跏趺坐」で座り、「宇宙の印相」を結ぶそうです。
ポイントは「脳天から尻の穴までまっすぐに下した垂線が、地球の中心に到達するように上体をまっすぐにぶっ立てて坐禅せよ」だそうです。
やー、でも結跏趺坐ってなかなか辛いですね。子供のころはこの脚の組み方で、膝で歩いて遊んだりしましたが、今はもう痛くて無理です。
あと、しばらくこの座り方で坐禅していると背中も痛くなってきます。これは、たぶんぼくの姿勢が普段から悪いので、正しい姿勢をとると筋肉が張ってしまうだけだと思いますが。慣れるまで時間かかりそうです。
まとめ
本書には、あらゆる意味での「禅マインド」が書かれています。
気持ちの面で大切なのは、「禅をすることで何かを得ようとしてはいけない」ってことでしょうか。
悟りを得ようとしてもいけない。何かいい効果があると期待してもいけない。ただ坐るのみ。ザ・修行。
でもそもそもマインドフルネス瞑想で、頭スッキリだとか、ストレス軽減とかを期待して瞑想してるので、ちょっと難しいですね。何も期待しないのは。
まあでも、ちょっと辛くても「修行だし」って思えるのは、続けていくうえでのモチベーション維持にはなりそうです。いい姿勢を保つのも修行なのです。
「禅」について知る、いい参考書なのではないでしょうか。ここでは第1部のほんの一部分しか触れていませんので、是非本書を読んでみてください。瞑想に対する取り組み方が変わると思います。ぼくは変わりました。
いい姿勢で、いい人生を!