誉田哲也さんの「妖の掟」と「妖の華」を読み終えたので、感想書きます。
あらすじ(掟)
盗聴器の仕掛けがバレてヤクザに袋叩きにあう圭一を気まぐれで助けたのは、坊主頭の欣治と人形と見紛う美貌の持ち主、紅鈴だった。圭一の部屋に転がり込んだ二人にはある秘密が――。
表紙袖より
泥沼化した抗争の末に発生した難事件、組長三人殺し。頸部損傷による失血死なのに血痕がない。容疑者どころか侵入経路も凶器も一切不明。「なんやこう、齧られた傷のように、見えましたな」
裏表紙袖より
感 想
二人の正体は、「闇神」
これは序盤で明かされるので、ネタバレとは言えないと思うので書いちゃいます。
そういう人外の者が出てくる話は、嫌いな人もいると思うので参考に。
物語の中では人外のものの存在は否定されているので、事件は解決できません。
警察は可哀そうですね。でも中には鋭い人もいます。
この話には「姫川シリーズ」や「歌舞伎町シリーズ」に出てくる刑事が出てきます。
ってことは、この世界には姫川玲子や東警部もいるってこと。
彼らがこの事件捜査したらどうなるんだろうって、気になっちゃいました。
解決できるのかな?
ま、本書は事件解決が主軸ではないので、どうでもいいのですが。
この話を読んでて思い出したのは、「鬼滅の刃」と「人魚の森」です。
両方とも漫画ですが、興味あったら読んでみてください。
ちょっと切ないラストですが、その後が気になります。
続き出るのかな?
「妖の華」が誉田さんのデビュー作で、「妖の掟」のその後の話という位置づけみたい。
デビュー作の続編を17年後に書くってすごいですね。
時系列的には「掟」「華」の順みたいなので、今度「華」読んでみます。
華は紅鈴を指すのかな?
それが燃えている表紙。
意味深ですね。
あらすじ(華)
ヒモのヨシキは、ヤクザの恋人に手を出して半殺しにあるところを、妖艶な女性に助けられる。同じころ、池袋では獣牙の跡が残る、完全に失血した惨殺死体が発見された。その手口は、3年前の暴力団組長連続殺人と酷似していた。事件に関わったとされる女の正体とは?誉田作品すべての原点ともなる伝記小説が復刻。
文庫裏表紙より
感 想
さっそく華も読みました。
出版は華が先、というか華がデビュー作で、17年後に掟が出版されたらしい。
だけど物語は、掟の方が過去となっています。
計らずとも掟の方を先に読みましたが、それでよかったと思う。
何というか、華のラストがあれなので。
両方読んで思ったのは、華を書いた時点で、掟の構想は固まっていたってこと。
というか、華を読んでいれば、掟は読まなくてもいいくらいかな。
華の中で、ほぼほぼ掟のストーリーわかっちゃうし、ネタバレしちゃってるしね。
華のラストがあれ、というのは、もうちょっと違う風にできたのでは、ということ。
これは感情的にではなく理屈的に。
なぜか思い出したのが、漫画「金田一少年の事件簿」の、「オペラ座館の殺人」。
金田一のネタバレになっちゃうけど、ラストで
犯人死にますよね
あれって、金田一君防げたじゃないですか。矢を取っておけばよかったんだから。
なぜかあのシーンを思い出しました。
うん、書いて思ったけど、金田一はあんまり関係ないな。
ただふと頭に浮かんだので。
デビュー作なので、警察の描写とか、グロ描写はちょっと今とは違う感じもありますが、とても面白い話でした。
「あの人」もこの時から登場してますし。
今後も誉田哲也さんの本を読んでいきたいと思います。