本の概要
- はじめに
- ハンセン病克服を目指して
- もの言わぬ民の命を
- アリの這うごとく
- セロ弾きのゴーシュ
- 命の水
- 難民と真珠の水
- 開通した命の用水路
- 来る年も力を尽くす
はじめに
なぜセロ弾きのゴーシュというタイトルなのか、まずそこが気になった。
セロ弾きのゴーシュの概要を読んでから本書を読み始めたけど、ちゃんと本文中に「セロ弾きのゴーシュ」が全文載っていたので、本書のみ読んでいけば大丈夫だった。
ハンセン病克服を目指して
ハンセン病という病気のことを全く知らなかったが、この章を読むことで理解できた。日本では治る病気だけど、世界では治らない国がある、ということを知ることが大事。
ハンセン病とは | 日本財団 (nippon-foundation.or.jp)
もの言わぬ民の命を
本書は哲学の本なんだと思う。幸せとはなにか、貧しさとはなにか。
今の日本人よりも貧しくて、水もなく、学校にも行けない。そんな人たちの方が幸福なのではないか。それは常に死と向き合っているからなのかもしれない。
仕事に精一杯頑張るでもなく、ダラダラと過ごす日常、目標や希望もなく生きる毎日。
なにか、この本を読んでいると自分は今のままではいけない。そんな気持ちになってくる。
アリの這う如く
地球温暖化は病原菌の繁殖にもつながる、ただ暑くなるとか水位が増すとかそういうわけではない。地球は全てつながっているので様々な影響が出てくる。
現地での活動は、「頑張ればなんとかなる問題」というのが次から次へとやってくるらしい。なんか、目標の立て方と一緒の気がした。目標も頑張れば達成できることを目標にしないとダメなわけで。そしてその先に目的があるわけで。アフガニスタンでの活動も目的を達成できるように頑張ってほしい、と心から思った。
命を粗末にする風潮が、このごろ、世界的に広まってきている。特に先進国の中で。自殺というのも命を粗末にすることです。人が生まれてきて、生きて死ぬという実感を、みんな、なくしつつあるのではないか
わたしはセロ弾きのゴーシュ
自殺をする動物は人間だけって聞いたことある気がするけど、人間のなかでも先進国のほうが多いという。やはり幸せっていうのは物の豊かさって意味ではないんだろうな。資本主義ってものに疑問を抱きつつある今日この頃、中村先生もそうだったのかな。
セロ弾きのゴーシュ
初めて読んだ。ゴーシュってめちゃくちゃ努力家じゃん。
他人のために仕事をすることの大切さを教えてくれる。中村先生の「ちょっとしてやらんと悪いかな」って気持ち、それが働く意義のようなものになるんだと思う。
命の水
灌漑用水路の工事の話の章
水を引くことの大変さ、重要性がわかる。川沿いに文明が栄えてきたのも当然だ。水は命だ。
堤防に木が植えられている意味もわかる。すごい技術、というか人の知恵なのか。普段見てた景色が、全部意味があるんだなって思った。ブラタモリの面白さといえばわかるかな。
難民と真珠の水
アフガン問題のほとんどは食べ物と水があれば片付くらしい。そんなことで?と思うかもしれないが、そんなことで内戦をする国がある、ということだろう。日本に生まれ育っているだけでは解らないことだらけなんだなあ。
まず、日本に産まれたことを感謝して、自分ができることをしていこうと思う。
開通した命の用水路
ここはもう、208ページから209ページの間の写真を見るだけで感動した。言葉はいらない。
来る年も力を尽くす
温暖化、ごみ問題、旱魃、砂漠化、渇水、洪水、異常気象、貧困、戦争ー
世の中問題だらけで、どれも解決は難しくて、でも頑張ってる人は確かにいて、でも自分は自分の問題だけで精一杯で。
そんな中で自分にできることは、自分にできる小さなことを積み重ねていくことかな。
この本に出会えたことでアフガニスタンの現実を知ることができた。
前向きな力をもらうこともできた。楽天的に生きてみようとも思えた。