シェイクスピアのリア王を読んだのであらすじと感想を書いたもの
あらすじ
老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固め、三人のうちでもっとも孝心のあついものに最大の恩恵を与えることにした。二人の姉は巧みな甘言で父王を喜ばせるが、末娘コーディーリアの真実率直な言葉にリアは激怒し、コーディーリアを勘当の身として二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王リアの悲劇はこのとき始まった。四大悲劇のうちの一つ。
裏表紙より
感 想
初めて読んだシェイクスピア。とても面白かったです。
戯曲自体が初でしたが、面白いものなんですね。
台本なので、誰がそのセリフを言っているか明確であるし、どこの場面かも書かれています。
劇を見るような感覚で読むことができました(だから戯曲なのかな?)
物語ですが、まず、なぜコーディーリアの言葉に激怒するのかよくわかりません。全然変なこと言ってないのに・・・・・・。
それに対し諫言してくれるケントに対しての仕打ち。王としてのふるまいではないし、器でもありません。「貞観政要」の太宗と違いすぎます。
どちらもリーダーシップの勉強用に読む人が多いみたいですが、お手本が太宗、反面教師がリア王なのでしょうか。
それはさておき、コーディーリアを勘当してから、苦難が続きます。
姉二人から追い出され(この姉二人も相当な人格で、ひどいものです。そこが面白いですが)、嵐の中さまよい、狂っていきます。この狂っているときの言葉がなかなか強烈でこれも面白いです。
また、他の登場人物も裏切り、謀、不倫?等々黒い人間ばかりで、人間不信に陥りそうです。
途中から「道化」が出てきますが、これが登場も突然で、リア王を小馬鹿にする感じで言いたい放題言うので、読者(観劇者)の代弁者なのかな、と思って読んでました。
最後は、悲劇なのでハッピーエンドではありません。リアの救いはコーディーリアの存在でしょうか。コーディーリアは可哀そうですが。
四台悲劇、あと三つ、読んでみたいと思います。