逆ソクラテス 感想・紹介

伊坂幸太郎さんの逆ソクラテスを読了したので、あらずじと感想書きます。

久しぶりの伊坂さん。「逆ソクラテス」は5話からなる短編集です。

どれも打消しや否定の言葉がついている面白い題名です。

ソクラテスの逆?ってことは、問答法しないってこと?とかいろいろ考えながら読んでいきました。

逆ソクラテス

学校の権力者である教師。その教師の言動によって左右される子供たちのレッテル。

そのレッテルを覆そうと奮闘する子供たちのお話。

教師や、人にものを教える立場の人たちに読んでほしい物語です。

大人が見ている以上に子供は大人を観ています。自分の言動にも注意しないと。

スロウではない

足の遅い僕が、リレーの選手に!ドン・コルレオーネに相談しないと。

どこの学校にもいじめっこはいますよね。程度の差はあれ。

このお話で印象に残っているのは「いじめられっ子はやり直せる、いじめっ子はやり直せない」っていうところです。自分の子供は間違ってもいじめっこになってほしくない、と思いました。人間、謙虚が一番です。

先生の考えが心に残りました。

非オプティマス

オプティマスって言ったらトランスフォーマーしか知らないけど・・・・・・って読んだら、そのオプティマスのことでした。「非」なのでオプティマスで非ず。ってことですか。

授業妨害するガキ大将に不満をもつ転校生。頼りない先生にいら立つ主人公。

そんな先生にはある秘密が――。

子育てがどういうものかは知らなかったが、二人で協力してクリアするゲームを一人で操作するならば難易度は上がる」って一文があるんですが、ハッとさせられました。もっと家事やらないと、と思いました。

先生が「人間関係で重要なことは評判」と言っていますが、それもなるほど、と思わされます。評判が全てではないと思うけど、いい評判を得るには人格や能力など、努力しないとダメだと思うので。

アンスポーツマンライク

バスケット用語でアンスポーツマンライクファウルというのがあるそうで、それにまつわるお話です。

スポーツのチームのコーチ、監督っていろいろなタイプの人がいますが、どういう人が一番子供たちにいい影響を与えるのでしょうか。怖くて高圧的に指導する人?優しく指導する人?

この話では高圧的に指導するコーチに対して主人公たちが反感を持っています。でも、そういうコーチが強豪を育てる場合もありますよね。正解はあるのでしょうか。

逆ワシントン

ワシントンといえば、桜の木を切って正直に言って褒められた話が有名ですよね。その逆?

「正直が最良の政策である」の逆?

まあ、その通りの話でした。

でもそこまでの過程や、ワシントンの裏話が面白かったです。

感想まとめ

小学生が主人公のお話ばかりなので、非道い話はなく、どれも爽やかな読後感で、どこか懐かしい気持ちになります。自分にもこんな時期あったな~とか、小学生の時にこんな考え方になりたかった、とか。

本書の登場人物は、かっこいい子が多いこと!

先生もいろいろな方がいますが、本書のような「いそけん」先生は、とってもいい先生だと思います。

僕もこれから「僕はそうは思わない」と言って生きていきたいところですが・・・・・・、上司の言うこと聞いてるんだろうな~。