アンソニー・ホロヴィッツ著/訳、山田蘭 のカササギ殺人事件を読了したので感想と紹介を書いたもの。
勝手に目次を作っていますが、ネタバレにはなっていないと思います。
上巻 あらすじ
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は――。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
文庫版上巻裏表紙より
上巻 目次(自主制作)
第一部 悲しみ
- 1955年7月23日 ラナー&クレイン社
- ロビン・オズボーン 牧師
- エミリア・レッドウィング 医師
- ホワイトヘッド夫妻 骨董品屋
- クラリッサ・パイ 教師
- ロバート・ブラキストン 整備士
- マグナス・パイ 准男爵
- ジェフリー・ウィーヴァー 墓掘り
第二部 喜び
- アティスカ・ピュント 探偵
- ジョイ・サンダーリング 看護師
- ジョイの決意
- フランシス・パイ 男爵夫人
- エドガー・レナード 痴呆症
- 牧師と骨董品屋
- ジョイの覚悟
- クララへの仕打ち
- パイ屋敷の人影
- 事件
- ピュント動く
第三部 娘
- 現場
- 怯える牧師
- 落ち着かない骨董屋
- 怯える掃除婦
- あわてる愛人
- 消耗する夫人
- 声明文
第四部 息子
- 女王の腕の朝
- タイプライター
- 動揺する医師
- 庭師の証言
- 毒日記
- ディングル・ベルの森
- 出生の秘密
- ロバートの聴取
第五部 銀
- 骨董品屋の聴取
- 庭師の家宅捜索
- 准男爵夫人の聴取
- 重荷が取れた教師
- 掃除婦の告白
- 倒れる探偵
- サルベージ
第六部 金
- マシュー・ブラキストン
- 愚者の黄金
下巻 あらすじ
名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読んだ編集者のわたしは、あまりのことに激怒する。ミステリを読んでいて、こんなに腹立たしいことってある?原因を突きとめられず、さらに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想もしない事態だった――。ミステリ界のトップランナーが贈る、全ミステリファンへの最高のプレゼント!
文庫版下巻裏表紙より
下巻 目次(自主制作)
- ロンドン、クラウチ・エンド
- クローヴァリーフ・ブックス
- アラン・コンウェイ
- フラムリンガム、アビー荘園
- ウェスリー&カーン法律事務所
- アラン・コンウェイ作滑降より抜粋
- サフォーク州オーフォード
- ウッドブリッジ
- 遺書
- アイヴィー・クラブ
- 作家の孫
- フラムリンガムへの道
- アティカスの事件簿
- 葬儀を終えて
- わたしの弟、アラン・コンウェイ
- 聖ミカエル教会
- クラウン・ホテルでの夕食
- イプスウィッチのスターバックス
- クローヴァリーフ・ブックス
- 探偵の真似ごと
- ブラッドフォード・オン・エイヴォン
- パディントン駅
- クローヴァリーフ・ブックス
- 終局
- 集中治療
感 想
ミステリとは真実をめぐる物語である――
作中作だけで丸々1巻!作中作自体が古典的で濃密なミステリ。
作中作を読み終えて、読者は作中現実へ。
作中現実では作中作に関連する事件が起き、事態は思わぬ方向へ――。
読み終わった後にもう1回最初から読んじゃいました。あー、なるほどこんなところにもヒントが。て感じでした。
作中作はそれだけで完成度の高いミステリで、精巧なフーダニット。1冊の本になります。そこから一転して作中現実での事件。
これが事件なのか、事故なのか。この作中現実での事件も面白い。当然作中作との関連は欠かせません。アレが、動機だったとは。いやー、面白いミステリでした。