「ゲーム理論の思考法」の紹介・感想

「ゲーム理論の思考法」を読了したので、概要と感想を記事にしたもの。ゲーム理論に興味があって本を探している方等の役に立てると思います。

「上司と部下の関係」、「企業間での競争」、「政治のかけひき」。ゲーム理論では、あらゆる問題をひとつの「ゲーム」ととらえます。起こっている問題がどのような構造になっていて、どんなルールに支配されているかを考える際、その全体像を「ゲーム」と呼んでいるのです。あらゆる問題を「ゲーム」として見ることができれば、「ゲームの構造(問題の本質)」を俯瞰的に見ることができ、より質の高い思考を行うことができます。本書の目的は、ゲーム理論の代表的なゲームを学びながら、その「戦略的思考」を身に着けることにあります。

本書表紙裏より

ゲーム理論とは

2以上の「意思決定を行う主体」の意思決定・行動を分析する理論。

個人と個人、組織と組織であったり、国と国であったり、規模は大小あれど、理論は同じです。

ゲーム理論の目的

ゲーム理論の目的はなんでしょうか。

  1. ゲームの構造(問題の全体像)を把握する
  2. 起こり得る未来を予測する
  3. 適切な解決策を見つける

要は問題解決のための手段がゲーム理論といえそうです。

この中で大切なのは前提条件である「問題の把握」だそうです。まあそうですよね。前提条件が間違ってたらアウトプットも間違えますので。

そして、「ゲーム理論の思考法」を学ぶことによって

  1. 状況を俯瞰的に「把握」する力
  2. 起こり得る未来を「予測」する力
  3. 問題を根本から「解決」する力

の3つの力を養って問題を解決する、と。

ゲームの紹介

  1. 囚人のジレンマ
  2. コーディネーションゲーム
  3. チキンゲーム
  4. マッチング・ぺニーズ
  5. ホテリング・ゲーム
  6. ダイナミック・ゲーム
  7. ムカデゲーム

上記のゲームの構想が、社会で起こる問題に当てはまる場合が多いです。本書は各ゲームがどのような構造で、どのようにするのが一番良い行動なのか分析して、最良の行動を選択します。

まとめ

僕がゲーム理論に興味を持ったのは、「今際の国のアリス」という漫画のなかで「ナッシュ均衡」という用語がでてきたことからです。

ナッシュ均衡?なんだそれ、と思ったのが始まりでした。とりあえずナッシュ均衡でググると「囚人のジレンマ」というのがよく出てきます。そこから紐づけでゲーム理論という言葉に行き当たり、そこから本書を買うまではすぐでした。

※今際の国のアリスはデスゲーム系の漫画で、趣向を凝らしたゲームがたくさんあって面白いです。読んでみてください。

「ゲーム理論の思考法」は様々なゲームを攻略しながら、理論や失敗例、社会での実用例、状況整理の方法等を学習できます。

「バックワード・インダクション」や「トリガー戦略」等難しい用語もでてきますが、わかりやすく説明されているので大丈夫です。

僕がこの本を読んで一番印象に残ったのは、「双方利益がある場合があるにも関わらずそれを選べない場合がある」ということです。なぜそんなことが起こるのでしょうか。それも理論的にわかります。

他にも「実際の社会の問題はほとんどゲーム理論で説明できる」「人は全て合理的に動くわけではない」等面白い内容が盛りだくさんです。

ぜひ本書を手に取り読んでみてください。