本の情報
著 者 | 東野 圭吾 |
発行者 | 高橋 明男 |
発行所 | 講談社 |
ページ数 | 309 |
あらすじ
ある別荘地で起こった無差別殺人事件。
犯人はすぐに逮捕されたが、動機をいっさい語らず。
被害者遺族たちは、犯人の動機を探るべく、「検討会」を開くこととなった。
その検討会に、捜査一課刑事である加賀恭一郎も加わることとなり――。
感想ネタバレなし
久しぶりの東野さん、と加賀さん。
東野さんの本はやっぱり読みやすい。なんでか考えると、理由は2つかな、思う。
一つは難しい単語や言葉を使っていないということ。
他の作者の作品では、語義が難しいものや、普段使いしないような言葉があり、辞書引きながら読むようなものも多い。それはそれで勉強になるからいいけど、物語に入り込んでいるときに知らない言葉と出会うと、辞書を引くために現実に戻されるため、少し厄介。
東野さんはたぶんそこを考えて、中学生くらいでもわかるような言葉を選んで書いていると思う。だから没頭して読むことができるのだろう。
二つ目は、語り手が誰だかわかりやすい、ということ。
視点人物が固定されていない章でも、だれが話しているのかすぐにわかる。下手な作者は、誰が話しているのかわからなくてページを戻ったりすることあるけど、東野さんはそれがない。だからスムーズに読める。
以上2点から、東野さんは「読みやすい」作家さんだと言える。と思う。
誰でもわかる言葉を使うって、仕事の時でも大事だよね。
感想ネタバレあり
犯人は14歳の少女だった。
まず、「無敵の人」であった当初の犯人は、家族に迷惑をかけて、死刑になるために殺人をしたかった。
そして、共犯者(むしろ主犯)であった少女は、両親の不仲――というよりは、子育ての放棄により、両親を殺したかった。
両者の願望が一致し、少女が犯人を別荘地に招き入れ、殺人をさせた。
最後の謎は、10本あったはずの凶器の最後の一つの行方。
それは、加賀に同伴を依頼した女性が、夫にとどめを刺したときに使った。彼女は夫の浮気を知ってしまった。そして、犯人に刺されて怪我をした夫を殺してしまう。
なんか、どっかで似たような話を読んだ気が・・・・・・。死んでなかった被害者に、犯人じゃない人がとどめを刺すような話。なんだったかなあ。