本の情報
著 者 | 早見 和真 |
発行者 | 角川 春樹 |
発行所 | 角川春樹事務所 |
発行日 | 2019年7月18日 |
頁 数 | 292 |
あらすじ
中小書店、武蔵野書店の吉祥寺本店。そこで契約社員として働く谷原京子。
彼女は苛立っていた。本店の店長である山本猛に対してだ。「非」敏腕であり、朝礼では長々と無駄な話をし続ける。軽薄な笑みを浮かべ、人の名前を間違える。
そんな店長にイラつき、退職届を鞄に忍ばせながら勤務をしていた。
そんな中、作家を招待してのトークショーをすることになったのだが・・・・・・。
「バカ」な店長、社長、小説家、営業、そして私――。
小さな書店で起こる小さな奇跡、女性契約社員の奮闘記!!
感 想
本が好きな人には刺さる本ではないでしょうか。本屋の店員さんに対しての見る目が変わりそうです。
タイトルの「バカ」にはとても愛が込められているように感じます。『らんま1/2』の、あかねが乱馬に言う「バカ」って感じですかね?ちょっと違うか。
物語の持つ力は、自分じゃない誰かの人生を追体験できる。ということ。だから、小説好きには他人の考えを想像できる人が多い。人の気持ちがわかるってことですかね。ぼくはちょっと他人の顔色伺いすぎるところもあって、困っているんですが・・・・・・。
登場人物が、小説家にツイッターはやってほしくない、って言う場面があって。最近ぼくもそういうこと思った。小説は面白いんだけど、ツイッターでつぶやいてる内容がくだらなくて。あんまりそういうこと気にしないんだけど、なんかその人の本を純粋に楽しめなくなっちゃった。まあ、もうフォローはやめたし、その人の本を読むこともないんだろうけど。
本を他人に強要してはいけない。ってセリフがあった。ホントにそう思う。最近上司で「この本読め」って部下に回してる人がいて。なんか意味あるのかな?って思う。そんなん読んだところでなんか変わるのかな?自己啓発本って自分から読むから意味あるんじゃないの?
自分の課題を解決するために読むんじゃないのかな。課題は人それぞれ違うんだから、必要な本だって違うはず。強要される読書でなにか考え変わったりするんだろうか。それとも「俺の考えはこの本の通りだから、知っておけって」ことかな。だとしてもなんか嫌いだな。そういうの。
なんにしても、とっても面白い本だった。登場人物たちのキャラがいい。主人公はじめ、店長や先輩、後輩など、どの人も魅力的。久しぶりに小説で笑ったなあ。続きも出てるみたいだし、早く読まなきゃ。