浅倉秋成さんの「教室が、ひとりになるまで」を読み終わりました。ネタバレなしの感想書きます。

著 者浅倉 秋成
発行者堀内 大示
発行社KADOKAWA
初 版令和3年1月25日
ページ数303

北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ――。垣内友弘は、幼馴染の同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」”他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。

文庫裏表紙

感 想

うん、面白かった!

浅倉さんは、「六人の嘘つきな大学生」が初読でした。あれがとても面白かったので、本書も読んでみた次第です。

本書は「特殊設定ミステリ」。まずはそこを認識しないと。好き嫌いあるからね。

北楓高校は、4人の超能力者がいる。もう少し詳しく言うと、全学年(3学年)で4人。その能力は、ある条件で次の人に受け継がれる。条件は様々。能力者が卒業する、とかも能力受け継ぎの条件の一つ。

だから常に、北楓高校の在学生の中に4人の超能力者がいる、という設定。

そんな学校で自殺事件が相次ぐ。で、あることから、それが殺人なんじゃないかって話になるわけだ。

そしてそれは明らかに自殺だから、超能力を使った殺人なのではないか、と。

ここが本書の面白いところ。明らかに自殺と判断されるように人を殺せる超能力ってどんなもの?ってことを考えるのが、本書の一番の謎かな。

動機は結構最初にわかったかも。そりゃあ、そうだよな。多感な年ごろにこんなクラスじゃちょっと・・・・・・。ねえ。

一番読みごたえがあったのは、主人公の本音ぶちまけのところ。スッキリする。

でも、「あの人」の主張もそのとおりだと思うので、切ない。犯人の主張も、理解できる。

それぞれの言い分に納得できるってのは面白い。

この人はこういう考えなんじゃないかなって思いながら読んでて、そのまま何もなく終わってしまうことが多いのですが、本作はぼくが考えていたことを全部書いてくれていたと思いました。

全部書いてくれて、それがぼくの考えと一致していたから、特に本作は面白く感じたのかもしれません。

著者と気が合うっていうのかな?もっと浅倉さんの本を読みたくなりました。