「人間にとって教養とはなにか」を読み終えたので、学んだことを書きたいと思います。

著 者橋爪 大三郎
発行者小川 淳
発行所SBクリエイティブ株式会社
発行日2021年1月15日
ページ258p

そもそも、教養とはなんの役に立つのか?

「教養を身につけることだ大事だ」とは、よく言われる。しかし、そもそも私たちはなんのために教養を身につけるのか?教養はいったいなんの役に立つのか?現代の「知の巨人」が教える、変化の時代をよりよく生きるための学びの極意。

裏表紙より

本書を読んでわかること

1、教養の価値

2、教養の歴史

3、教養の身につけ方

大きくはこの3点ではないでしょうか。

教養とはなにか

教養とは

〇自分の専門分野外の知識全般

〇現実の問題を解決するための知性

〇国民が身につけることで、社会が良くなるもの

〇社会のリーダーならこれぐらいは知っていて当然という知識の全体

〇自分の狭い範囲を超えていくためのもの

〇社会の全ての人々が、有権者として適切な意思決定を行うための基礎知識

いろいろあるようですが、一言でいえば「備え」なのではないでしょうか。

いつ使うかわからない知識。でもいつか必要な知識。自分の問題、家庭の問題、社会の問題、様々な壁にぶつかった時に、その問題を解決するための「備え」

それが「教養」なのだと思います。

教養の歴史

日本での教養は、武士の時代からあるようです。

武士は朱子学を学び、あらゆる問題を解決しなければならない。

ありあわせの知識を組み合わせて、現実の問題を解決する知性をもたなければならない。

西洋では、ルネッサンスが原点となっているようです。

ルネッサンスとは「再生」「復活」を意味するフランス語。ギリシャの文化(哲学等)を復興しようとする文化運動のこと。

国民の学力が向上する → 医学、数学、法学、哲学等が発展する → 活字文化が誕生する → 教養の概念が誕生する(知らなければならない知識を読書で得る)。

教養を身につけるには

1、読書

2、辞書・事典

3、インターネット

大きくはこの3つみたいです。

読 書

著者は読書は絶対に必要と言っています。読書にはいろいろな効果があります。

読解力が鍛えられる、語彙が増える、集中力が増す、想像力が鍛えられる、共感能力が上がる、漢字を覚える、文章力が上がる、知識が増える。とかでしょうか。

著者は「読解力を鍛えられる」と書いていました。それ以外はぼくの意見です。読書を習慣にしている人は、賛同していただけるのではないでしょうか。

辞書・事典

辞書や事典を読むことは大事。

新聞は、読むことで興味のある記事以外にも目を通すことになるから、読んだ方がいいって聞いたことがあります。

辞書も同様に、ひとつの単語を調べると他の単語も目に入り、芋づる式に知識が増える、という利点があるそうです。

電子辞書だと、その単語調べて終わり、になっちゃいますよね。

ここで面白かったのは、日本語の「水」と、英語の「water」は同じ意味か?という話です。皆さんはどう思いますか?正解は、本書を手に取ってみてください。

インターネット

インターネットは玉石混淆。情報の真偽は、自分でしっかりとした判断をすることが大事。

まあ、そうですよね。誰でもなんでも発信できる現在。ネットの情報をうのみにすることは危険です。

でも便利な側面もある。そこは本書を読んで取り入れていった方がいいかもですね。

感想まとめ

「教養」とはなにか。

本書を読んでぼくが思ったのは、「備え」であるということ。

いつかぶつかる壁、問題。それを越えるには、幅広い知識を組み合わせて、知恵を振り絞って考えるしかない。

その「幅広い知識」こそが教養。

本書を読めば、その教養を学ぶためにはどうすればいいかが分かります。

ここから先は余談。

「知識は増やすもの、知恵は使うもの」って聞いたことがあります。

西郷隆盛などは多読の人を「本の虫」といって蔑んでいたらしい。

「論語読みの論語知らず」って諺もあります。

知識を増やすだけでは意味がない。知恵として使ってこそ意味がある。

教養というのは「知識を増やし、知恵を使う」この一連の過程のことを指すのではないでしょうか。

ああ、なんかいい感じでまとまった。教養とは「知識を増やして知恵を使うこと」とぼくは定義付けたいとます。