FACT FULUNESSを読んだので感じたこと、得たものを書きました。

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣。

著 者ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
訳 者上杉 周作、関 美和
発行者村上 広樹
発 行日経BP社
初 版2019.1.15
頁 数343

ハンスさん、自分のこと天才って言ってて凄い自信だな。世界の人がなぜこんなにも世界のことを知らないのかを嘆いている。

みんなが、変に知識を持ってるから勘違いしているらしい。だから、データで世界の皆さんを啓蒙しましょうってのが、本書の趣旨ですかね。

人は世界を悲観的に捉えている=「ドラマチックすぎる世界の見方」←脳の機能のせい。

錯覚による勘違いで、悪い方に考えてしまっている。言ってしまえば本能のようなもの。

本書を読むことで、思い込みから解放され、事実に基づいた世界の見方ができるようになる。

分断本能

世界は二極化では正確に捉えられない。4つの区分で考える。レベル1~4。

ファクトフルネスとは、「分断」を示す言葉に気付くこと。大半は中間に属する。

ネガティブ本能

平均はバラつきを隠す。

統計は「数値の差が10%程度かそれ以下である場合、その差を基に何らかの結論を出すことには慎重になった方がいい」

「世界が良くなっていっている」ことを示すものに「世界から減っている悪いこと」をもちだすのは解る。でもその中に「死刑制度」が入っているのはなぜ?死刑制度は悪いことなのか?世界で死刑制度を撤廃している国が増えているのは知ってる。でも理解できない。死刑制度って「悪」?著者が死刑制度を「悪」と決めつけていることに納得いかないな。

悪い出来事しかニュースにならないから、世界は悪くなっていると勘違いする。メディアの罪。

直線本能

人口が増えるのは大人が増えるから。

世界の人口は120億くらいで止まる。

貧困=子供をたくさん産む(死亡、労働)

貧困から救う=人口増加が止まる。(教育、避妊具の普及)

直線のグラフばかりではない。S字やコブもある。

恐怖本能

「被爆から逃れるために移動」したことによるストレスで死亡。

ワクチン、どうすればワクチンを打つように自分を説得できる?できないならそれは批判的思考ではない。ただの妄信。

ウィキペディアは内容によるが、信ぴょう性は75%くらい?

「危険」と「恐怖」は違う。危険を怖がるべき。

ひとつの数字に注目しすぎない

比較する。割り算する。

比較:数字を独りにしない。独りの数字にはなんの意味をもたせることもできない。

割り算:割合を出す。「一人当たり」を出すことができる。しないと意味がない。

8:2ルール。全体の8割を占めるものに注目する。

宿命本能、運命は決まっている

運命は決まっている?そんな風に思い込んでいる人、いるの?

世界は変わるし、未来も変わる。人の未来で決まっていることなんて一つもない。

少なくともぼくはそう思う。

ので、この章はあまり参考にならなかった。たぶんぼくはこの思い込みはしていないと思う。

単純化

数字がなければ世界は理解できない。でも、数字だけでは世界はわからない。248p

シンプルイズベストだけど、世界はシンプルではない。多角的に見ないと本当の問題は見えないし、真実にも気づけない。

複雑そうに見えて実は単純って、すごくそそられる話だけど、現実はそうじゃないってことだよね。

複雑すぎるから単純に考えたくなるけど、それじゃダメなんだよなあ。

難しいですね。

犯人捜し本能

誰かを責めれば解決する。そんなことはない。

航空業界では事故が起きても犯人捜しはしない。それはなぜかというと、個人を責めたところで次の事故を防ぐことはできないから。

同じ事故を起こさないようにするにはどうすればいいのか?それは事故が起きた「要因」を分析し、「原因」を特定し、同じことを繰り返さないこと。

人は誰でもミスをする。システムとしてミスが起きないようにしなくてはダメ。個人としてミスを防止するのではなく、組織として防止できるようにする。

犯人が見つかっても問題は解決しない。誰かに責任を求めても無駄。

いまでしょ!は時に逆効果に?

林先生をディスってんのかな?著者が知っているとは思えないので、訳者の訳し方なんだろうけど、結構小馬鹿にした表現が多い気がするな。

焦りは間違った判断を生む。一度深呼吸を。

まとめ

本書には世界を間違った目で見てしまう、10個の思い込み(本能)が書かれている。

その本能を知ることで、世界を正しく見ることができるようになり、正しく怖れることができる。

正しく怖れることができれば、正しい対応がとれるわけだ。

世界は思っているよりもいい方向へ進んでいる。人類はしっかりと進歩している。

そんなに未来に不安を抱かなくてもいいのではないか。

ちょっと訳が気になるところもあるけど、全般通して面白い本でした。

メ モ

アパルトヘイト:南アフリカ共和国における、白人と非白人の関係を規定する人種隔離政策。隔離や分離を意味する。

クールチェーン:物流方式の一つ。冷蔵状態を保ったまま輸送すること。基本的なインフラ、電力、教育、医療がそろっていなければ成り立たない。