著 者 | 誉田 哲也 |
発行者 | 徳永 真 |
発行所 | 集英社 |
発行日 | 2021年11月10日 |
ページ数 | 390頁 |
あらすじ
山林で発見された首無し死体。
死因は生きたまま首を切断されたことによる頸椎断裂。
首無し死体の身元は誰なのか?そして犯人は?
捜査をするうちに新興宗教である「サダイの家」が関連している可能性が浮上する。
刑事、元キックボクサー、やくざ、信者――。それぞれの人生が大きく動き出す。
感 想(ネタバレ無)
物語は、「刑事」「元キックボクサー」「やくざ」の3つの視点で構成され、進んでいく。
刑事にも最初からどこか怪しい部分あり。
キックボクサーである潤平は、信者2世である美祈に一目ぼれ。
やくざである唐津は、新興宗教の幹部的な立場で関わっている。
それぞれの過去が絡み合い、壮絶なラストへと向かっていく。
グロい描写も多々あり、そこは誉田さんらしい。けど読みやすく、一気読みしてしまった。
統一教会の件があったばかりでホットな話だけど、新興宗教ってやっぱりいいイメージがない。
たぶんちゃんとした宗教もあるんだろうけど、どうしてもオウム真理教とか、そういうのを思い出してしまう。
この本でも「サダイの家」は、最低の描かれ方をしている。
さて、フェイクフィクションとは何のことなのか?そこは以下のネタバレ有で書きます。
感想(ネタバレ有、白文字)
フェイクフィクションのフィクションとは、「聖書」のことであると理解した。そして、その聖書の中の「神」を蔑ろにしてしまった宗教のことをフェイクフィクションというのだと思う。ようは怪しげな信仰宗教のことをフェイクフィクションというのだろう。
神を軽視してしまった宗教はもはや救いではなく、ただの金、権力等欲望を満たすだけの道具に過ぎない。誉田さんの本には結構教訓めいたものも多い。そこが好きでもあるんだけど。
物語は最終的には救いがあってよかったと思う。