米澤穂信さんの『可燃物』の感想

本の情報

著 者米澤 穂信
発行者花田 朋子
発行所文藝春秋
頁 数275

あらすじ

崖の下

遭難したスノボ仲間が、刺殺体で発見された。犯人はほぼ特定できたが、凶器が見つからない。犯人は、なにを使って刺殺をしたのか。

ねむけ

ワゴン車が、軽自動車と交通事故を起こした。事故現場は、”深夜の交差点”聞き込みの結果、運転手が信号無視をしたという目撃情報が。しかし、複数の情報が不自然に一致している。

命の恩

行楽地として人気がある遊歩道で、人間の右上腕が見つかった。捜査が行われ、バラバラになった遺体にはいくつか不審な点が。そして犯人はなぜ、人目に付きやすい遊歩道に右上腕を捨てたのか。

可燃物

住宅街で発生した連続放火事件。捜査が進む中、容疑者の特定前に犯行が突然止まった。誰が何の目的で放火をしたのかもわからず、捜査は難航。しかし、この事件には意外な共通点が。

本物か

郊外のファミリーレストランで、立てこもり事件が発生。立てこもり犯は前科持ちの男だった。店内から非難した客と店員に事情聴取をするが、証言がどこかかみ合わない。

ネタバレ有感想(白文字)

総合的に、大満足。面白かったです。

勉強になりました

メ モ

阿諛追従:相手に気に入られようと調子のよいことばかりを並べ立てこびへつらい、相手の機嫌をとり従うこと。「阿」は、相手におもねること。「諛」は、へつらう態度のこと。

説諭:教え諭すこと。自分と同等またはそれ以下のものに、悪い点を改めるように、よく言い聞かせること。また、警察官が微罪な者などに対して、厳しく注意を与えるだけで公的な罪科にしないこと。

臆断:おしはかって決めること。憶測による判断。

放歌:あたりをはばからず大声で歌うこと。

隔靴掻痒:痒いところに手が届かないように、はがゆくもどかしいこと。思うようにいかず、じれったいこと。物事の核心や急所に触れず、もどかしいこと。靴を隔てて痒いところをかく意から。

【印象に残った言葉】

直観とは観察力の蓄積が警告を発すること。

自分は自分で育てるもの