相沢沙呼さんの「午前零時のサンドリヨン」を読みました。
相沢さんは「medium」が大ヒットして一躍有名になったかたですが、「マツリカシリーズ」等、コージーミステリーも面白いです。
「午前零時のサンドリヨン」もコージーミステリーで、マジシャンである酉乃初と、須川くんが日常のちょっとした謎を解き明かすミステリーになっています。
「酉乃さんはマジシャン――魔法使いなんだから」
マジックをする人、マジシャン、マジックとは魔法、ゆえにマジシャンは魔法使い。
酉乃初は、魔法を使って人の心を癒していく。
著 者 | 相沢沙呼 |
出版社 | 東京創元社 |
発売日 | 2012.10.21 |
概 要
ポチこと須川くんが、高校入学直後に一目惚れしたクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。はたして、須川くんの恋の行方は――。
表紙袖より
空回りトライアンフ
トライアンフの意味は勝利、征服、大成功、大手柄、大業績、極致、勝利感、成功の喜び、得意の色だそうです。
学校の図書室のある本棚の3番目の棚が、一冊を残して全て裏向きに入れられていた?
どうしてこんな手の込んだいたずらを?はたしていたずらなのか?
胸中カード・スタッブ
音楽室の机に刻まれた「fff」の傷。
だれが、なんのために?いたずらにしては悪質で。
今回もなんとか人の役に立ちたい、と頑張る須川くん。
そしてマジックで人を勇気づけ、癒す酉乃初。
夢を追う辛さ、カッコよさを考えさせられる内容でした。
あてにならないプレディクタ
予言。
超能力、霊能力をマジックで解き明かす。まるで「トリック」のようなお話でした。
超常現象は、「予言」と「幽霊」
本話でおそらく心に傷を負ったであろう初。どうなるのでしょうか。
最後の飯倉さんのキレっぷりも良かった。
あなたのためのワイルド・カード
自分の存在価値に悩む初。
なんとか元気づけようとして空回りする須川くん。
あれ、これって恋愛小説なんじゃ・・・・・・。
初と須川くんの恋の行方もみどころですが、謎もちゃんとしてて、ミステリーとしても面白かったです。
最後の謎は4話を通しての謎だった「幽霊事件」
「マツリカシリーズ」でもそうだったけど、各話ごとに解決する謎と、1冊通して解決する謎があって、お得感があります。そういえばメディウムもそんな構成だったような。
感想まとめ
須川くんは、ものすごく女子に対して積極的で、凄いと思いましたね。
高校の時、好きな子にここまで積極的にできなかったなあ。
マツリカシリーズの柴山君と似てるようで似てないですね。ふともも好きなとこは同じか。男子は皆一緒か・・・・・・。
でも、ギャグへのアンテナは低いですよね。女子がシャレ言ってるんだから気付いてあげないと!可哀そうですよ。
なんにせよ、面白い小説でした。文章も読みやすくて、謎もちゃんとしてて。
「マツリカシリーズ」の基礎になっているんですかね。そういえばマツリカもたまにマジックがどうこうと言っていた気がします。
本作は第19回鮎川哲也賞受賞作だそうで、看板に偽りなく、面白かったです!