東野圭吾さん著『白鳥とコウモリ』を読み終えたので感想を書きます。ネタバレ有ですので、未読の方はご注意ください。ネタバレ部分は白字にしています。

著 者東野 圭吾
発行人見城 徹
編集人森下 康樹
編集者宮城 昌子
発行所幻冬舎
発行日2021年4月5日
ページ数522

編集人 編集の責任者。編集の名義人。

編集者 本(書籍・雑誌)や新聞などの刊行物や論文などの内容を編集する者。

へ~。編集人って言葉、初めて知りました。編集者とは違うんですね。作業員と責任者って感じですかね?

あらすじ

ある善良な弁護士が殺害された。犯人はすぐに逮捕され、犯行を自供している。

だがその自供内容に納得できないものが2人。被害者の娘である美令と、容疑者の息子である和真。

2人はそれぞれに真相を知るために動き、ある昔の事件にたどり着く。

相容れないはずの被害者遺族と加害者家族。たどり着いた真相は――。

感 想(ネタバレなし部分)

ぼくが本書を読む前に、タイトルから想像(妄想)した内容は以下。

「登場人物は主に男と女で、男は弁護士。女は容疑者。男が女を懸命に弁護(犯人じゃないと信じている)するけど、真犯人はその女だった。」という話。

全然違いましたね。弁護士は出てきましたが、最初に殺されてしまいました。

なぜ上記のようなストーリーを妄想したかというと、白鳥は「美しい女には裏の顔があるという暗示」というのを聞いたことがあるのと、コウモリは「弁護士の比喩である」と聞いたことがあるからです。

違いましたが、じゃあ、白鳥とコウモリが示すものはなんなのかってことですね。

それは以下のネタバレ有感想となります。

感 想(ネタバレ有)

白鳥とコウモリとはズバリ、「美令」と「和真」のことです。

「光と闇」「昼と夜」「被害者遺族と加害者家族」それが白鳥とコウモリ。

白鳥とコウモリが同じ空を飛ぶことはできない。

被害者遺族と加害者家族が交わることは、ない。

意味がわかると、すごく切ないタイトルだったと気づかされます。

容疑者である和真の父親の供述に疑問をもったことから、真相を探し始める2人ですが、その真相がまた切ない。

そして逆転する昼と夜。

さらに意外な真犯人と、闇が深い動機。

さすが東野圭吾さん、結構分厚かったですが、読む手が止まらず、あっと言う間に読み終わりました。