原田ひ香さんの「三千円の使いかた」を読み終わりました。非常に面白く、お金について考えさせてくれる内容だったので、皆さんに紹介します。
・節約に興味がある
・「三千円の使いかた」という本を読もうか迷っている
・お金についての考え方を知りたい
著 者 | 原田 ひ香 |
発行者 | 安部 順一 |
発行所 | 中央公論新社 |
発行日 | 2021.8.25 |
概 要
就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?<解説>垣谷美雨
裏表紙より
「人は三千円の使い方で人生が決まるよ」9頁より
第1話の冒頭がこの文章。書店でここを見た時に、買うことを決めていたと思う。
気になります。三千円の使い方。三千円あったら、いろいろできますよね。
豪華なランチ。本なら単行本で2冊。映画観てお茶。飲み会(飲み放題)。パチンコなら5分?
一人暮らしのぼくは、一回の食材の買い物が三千円くらい。
まあ、大金なわけですよ。三千円。
三千円に対する考えが、人生にも表れる。んですかね?それは、本書を読んでのお楽しみ。
第1話 三千円の使いかた
表題作。主人公は美帆。
社会人、独身(彼氏あり)の美帆は、あることから、一千万円を貯めようと決意します。
そして、そのために決心した三千円の使い方は?
第2話 七十三歳のハローワーク
主人公は、琴子。
貯金もあるけど、今後介護が必要になって、施設に入ることを視野に入れると、経済的に少し不安。
そんなことから働こう、と決心する。しかし社会は73歳に対して少し冷たく―?
すごいアクティブなおばあちゃん。銀行を利用して、利子だけで40万のマッサージチェアを買うとか。ぼくはたぶん面倒くさくて無理だなあ(やり方は本書を見てください)。
73歳になって働く意味とは?お金が欲しいのはもちろん。でもそれだけじゃない。琴子もいろいろな意味を考えます。
ぼく自身、働くことの意味をよく考えるので、すごく共感できました。
「社会とのつながり」「人の役に立ちたい」「自分を磨きたい」
働くとは「傍を楽にする」という意味があると聞いたことがあります。ぼくは、一番身近な家族が食べていければ、十分だと思っています。
そんなこんなで果たして、琴子は就職することができるのか!?
第3話 目指せ!貯金一千万!
主人公は真帆。
やりくり上手の真帆。月収23万の消防士の夫と結婚して6年。消防士って危険な仕事なのに給料こんだけなの?年齢とともに増えるんだよね?ちょっと調べたら、平均はもっと多いみたいなので、若いからなのでしょう。
真帆は、今の生活に十分満足していた。けど、あることがきっかけで、自分の幸せを見失いそうになる。
井戸家はなんか、いろいろぼくの家庭に似ていて、めちゃくちゃ共感した。
第4話 費用対効果
主人公は安生。琴子のお友達。
164頁「今お金を使わずに、将来、後悔することはないのか」
これは常に考えることだよなあ。あの世にお金は持っていけないし。でも将来お金がないと不安だし。お金は使うためにあるんだから、今使ったほうがいいと思う時もあるしなあ。
結局バランスなのかな。難しいな。
今回のお金の話は投資。どういう投資がいいのか、とかを登場人物たちが話しています。
あとは、安生にちょっとした事件が。
ぼくも太陽(真帆の夫)と同じで、高卒で働いている人間だから、安生の生き方に憧れます。うらやましい。逆も然り、なのかな?
第5話 熟年離婚の経済学
主人公は智子。
ちょっと夫に不満を持っている智子。
私はずっと家事をやって一生を過ごしていくの?
ぼくの妻もこんな風に思っているのかなあ。一応掃除洗濯はぼくもやっているけど・・・・・・。
料理とかもできるようにならないといけないかな。でも手伝おうとすると邪魔って言われるんだよね・・・・・・。
ぼくだけで作る日とかを決めた方がいいのかな。まあ、単身赴任の間に料理できるようになっとこう。
今回のお金の話は、生活費、入院費、離婚の慰謝料の話等。
どれも自分に関係がある話、若しくはいずれ関係するかもしれない話。
長年夫婦やってればいろいろあるよな。ちゃんと妻の話聞こう、と思ったわけでした。
第6話 節約家の人々
主人公は御厨家。特に美帆。
美帆の彼氏に500万の借金があることがわかって。
それは奨学金だけど、知らなかった彼氏。親が勝手に借りて、その彼氏名義にしていたんだと。まあ、大学に行ったのは彼氏なんだから、しょうが無いかもしれないけれど、それを本人に言ってなかったご両親に対して不信感を持つ美帆。
まあ、それぞれの家庭の金銭感覚や常識ってまっっったく違うから、結婚してから面食らうことあるよね。
結婚って本人同士のものって思うけど、どうしても家族の付き合いは出てくるもんね。結構いろいろ問題になるよなあ。
まあ、そんな感じで500万円の借金を持ってる彼氏と、結婚することは是か否か。
節約家の人々の下した決断は?
感想まとめ
書いてきたように、いろいろな年代の人に刺さる内容ではないでしょうか。
必ず誰かに置き換えることができるのでは?
ぼくは、妻と子供がいて持ち家。単身赴任。だから、ぴったりこの人だってのはなかったけれど、いろいろ参考になることが多かったです。
一人暮らしの食費。家のローン。子供の教育費。等々。
あと、本書の舞台は東京です。十条商店街や赤羽等、いまぼくが住んでいる近所の地名がたくさん出てきて、面白かったですね。
妻にも読んでもらいたくて、自宅に置いてきました。読んでくれてるかな~