人間とは何か 紹介

マーク・トウェイン著 「人間とは何か」を読み終わったので、感想書きました。

概 要

人生に幻滅している老人は、青年に向かって、人間の自由意志を否定し、「人間が全く環境に支配されながら自己中心の欲望で動く機械にすぎない」ことを論証する。人間社会の理想と、現実に存在する利己心とを対置させつつ、マーク・トウェイン(1835-1910)はそのペシミスティックな人間観に読者をひきこんでゆく。当初匿名で発表された晩年の対話体評論。

表紙より

老人と青年が対話しながら話が進んでいきます。

青年が「そんなことないですよ」といいながら老人の言うことに納得していく。

「嫌われる勇気」のような感じですかね。

老人は言います。

環境ですべてが決まる

「人間は環境ですべてが決まる」

「自由意志なんてない」「自発的に行うことなどない」

「人がもつ創造力も全ては環境」

なぜなら、無人島で育った人間は何も創造できない。例えシェイクスピアでも。

全て自分のため

「人間の行動は全て自分のため」

自己犠牲も?

そう。自分の満足を買うため。

自己犠牲しないと満足しない自分を満足させるため。

法則はいつもただ1つだけ。

自分自身の安心感、心の慰めを求めるもの。

自分の幸福以外に行動理由はない。

教育・訓練

教育、訓練で人は変わる。

内なる主人が変わる。

内なる主人が変われば、行動が変わる。

なぜなら、満足する自分が変わるのだから。

まとめ

老人の発言は、どれももっともに聞こえます。

確かに環境が及ぼす影響は大きいとは思いますが、それですべてが決まるわけではないと思います。

でも苦しい時、悩むとき等は環境を変えることを試すのがいいのかな、とも感じました。

人間は動物以下だとも言います。それは内容的には納得できる部分もあり、できない部分もありました。

動物以下の面ってたくさんありますよね・・・・・・。

発明は発見と同意である、とも言ってます。

これは、違う本とかでも見たことあるので、そうなのかな、と思いました。

既存のものと、既存のものを組み合わせたものが発明だと。

オズボーンのチェックリストもそんな感じですよね。あれは発想法ですが。

老人は、人間は機械と同じだ、外力がないと動くことさえない。と終始一貫して言っています。

青年はそんなことはない、とずっと言いますが、ことごとく老人に論破されます。

最後には反論できなくなります。

しかし、老人は

「でも人類は楽天家だから、幸せなのさ」と言います。

いいですね。最後に、老人がなぜこんな悲観的な価値観を持っているのに、幸福なのかがわかりました。

辛いこと、苦しいことがあるのが人生です。楽天的に生きていこうではありませんか。