井上真偽さん『アリアドネの声』感想

本の情報

著 者井上 真偽
発行所幻冬舎
ページ数304

あらすじ

地震によって地下に取り残された女性。彼女は、見えない、聴こえない、話せない、三重障害だった。

彼女をシェルターまで誘導する役を負ったのは、ドローン操縦士のハルオ。

彼はこの高難易度のミッションをクリアすることはできるのか。

感想ネタバレなし

災害現場でのドローンの活躍はこれからもっと広がっていくんだろう。

本書の主人公のようなドローン操縦技術を持っていれば、様々な場面で活躍できそうだ。

主人公の過去のトラウマあり、困難につぐ困難、トラブルに重なるトラブル、そしてトラウマを克服し、彼女との和解もあり。とてもエンターテインメントな作品だった。

「アリアドネ」とはギリシャ神話の女神。迷宮に入った英雄を地上に返すための糸を渡したことから、問題解決の道しるべ的な意味で「アリアドネの糸」という言葉が使われるそうだ。本作のアリアドネはドローンの名前として登場する。

「無理だと思ったらそこが限界」が印象に残った。そして、物語の最初と最後で意味が変わる言葉。

ネタバレあり感想(白文字)