マルク・レヴィソン著『物流の世界史――グローバル化の主役は、どのように「モノ」から「情報」になったのか』を読んだので紹介します。

本の情報

著 者マルク・レヴィソン
訳 者田辺 希久子
発行所ダイヤモンド社
発行日2022年2月15日
頁 数320

概 要

現在は第四のグローバル化の時代。グローバル化の主役は「モノ」ではなく「情報」となった。人はモノよりも、経験やサービスにお金を使うようになった。

本書は物流の歴史を振り返りながら、「グローバル化」を年代で区分し明確にしていく。

なぜ、現在は「モノ」よりも「情報」が重視されるのか?

感 想

「グローバル」とは?

幼児が自分以外の広い世界に関心を持つようになることを「グローバリゼーション」と呼んだそうだ。そこから、様々な意味に使われるようになったそうだ。

大きくは「世界のつながり」のような意味になるのだろうか。

第1のグローバル化は、19世紀、産業資本主義が誕生したとき。輸出入が経済活動の大きな部分を占める。それは第1次世界大戦で終わりを迎えた。

第2のグローバル化は、第2次世界大戦終了後。石油市場の国際化による世界経済の発展。

第3のグローバル化は1980年代後半から。長距離サプライチェーンが当然となってから。ある国で設計、ある国で製造、ある国で組み立て等が可能になる。どこでもできるようになったことで、富裕国の労働者は労働を奪われることになった。

第4のグローバル化は、「有形性」ではなく「無形性」の貿易の時代。要は「モノ」ではなく「情報」「サービス」。サービス業、情報業の労働者がしわ寄せを受ける。経済成長のカギは「柔軟な技能を持つ高度に訓練された労働力」。サービス業の労働者が失業した場合に備え再訓練する社会保障制度が必要。リスキリングみたいなことかな?

サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の調達から販売に至るまでの一連の流れを指す用語