ホモ・デウス 感想・紹介

ユヴァル・ノア・ハラリ著のホモ・デウスを読み終わったので感想を書きます。

あらすじは表紙裏(そで)を引用させていただきます。

目次については、そのまま掲載させていただいてます。

僕が本を選ぶときは「目次」「あらすじ」「帯」を参考に選ぶので、本記事を読んでくださった方の参考になれば幸いです。自分の備忘録でもありますが・・・・・・。

世界的なベストセラー「サピエンス全史」は取るに足りない類人猿が、どのように地球の支配者となったのかという、人類の過去についての物語である。本書「ホモ・デウス」でユヴァル・ノア・ハラリは、人類の未来を描く。人類は自らにとって最悪の敵であり続けた、飢餓と疫病、戦争を克服しつつある。この三つの問題を克服した我々は、今後不死と幸福、神性の獲得を目標とするだろう。人類は自らをグレードアップし、ホモ・サピエンスをホモ・デウス(「デウス」は「神」の意)に変えるのだ。生物工学や情報工学などのテクノロジーを用いて、世界を、そして自分自身をも、思いどおりに作り替え、創造することを目指すのである。それではこの神のような力は、すべての人々が享受するものとなるのだろうか?あるいは富む者と貧しい者との間に、想像を絶する生物学的な格差をもたらすのか?我々人類がどこへ向かうのかを、かつてないスケールで描く衝撃の書!

上巻表紙裏より

上巻目次

第1章 人類が新たに取り組むべきこと

  1. 生物学的貧困線
  2. 見えない大軍団
  3. ジャングルの法則を打破する
  4. 死の末日
  5. 幸福に対する権利
  6. 地球という惑星の神々
  7. 誰かブレーキを踏んでもらえませんか?
  8. 知識のパラドックス
  9. 芝生小史
  10. 第一幕の銃
第2章 人新世
  1. ヘビの共たち
  2. 祖先の欲求
  3. 生き物はアルゴリズム
  4. 農耕の取り決め
  5. 500年の孤独
第3章 人間の輝き 
  1. チャールズ・ダーウィンを怖がるのは誰か?
  2. 証券取引所には意識がない理由
  3. 生命の方程式
  4. 実験室のラットたちの憂鬱な生活
  5. 自己意識のあるチンパンジー
  6. 賢い馬
  7. 革命万歳!
  8. セックスとバイオレンスを超えて
  9. 意味のウェブ
  10. 夢と虚構が支配する世界
第4章 物語の語り手
  1. 紙の上に生きる
  2. 聖典
  3. システムはうまくいくが・・・・・・
第5章 科学と宗教というおかしな夫婦
  1. 病原菌と魔物
  2. もしブッダに出会ったら
  3. 神を偽造する
  4. 聖なる教義
  5. 魔女狩り

下巻目次

今、生命科学者たちは、生物は遺伝子やホルモン、ニューロンに支配された、ただのアルゴリズムであることを明らかにしている。人間の心や意識は、脳の中でニューロンが信号を発し、あるパターンに則ってデータを処理しているだけなのである。我々は何一つ自由に選択などしておらず、意識や意志を持った「私」でさえも、虚構なのだ。それならば、人工知能が人間の能力を凌駕するようになったとき、そしてコンピューターがあなた自身よりもあなたについて詳しく知るようになったとき、資本主義や民主主義、自由主義は崩壊するのだろうか?そのとき、あなたはこの世界に何を求め、何のために生きればいいのか?過去の条件から自由になり、人類の新たな運命を想像することを可能にする、すべての現代人必読の世界的ベストセラー!

下巻表紙裏より
第6章 現代の契約
  1. 銀行家はなぜチスイコウモリと違うのか?
  2. ミラクルパイ
  3. 方舟シンドローム
  4. 激しい生存競争
第7部 人間至上主義革命
  1. 内面を見よ
  2. 黄色いレンガの道をたどる
  3. 戦争についての真実
  4. 人間至上主義の分裂
  5. ベートーヴェンはチャック・ベリーよりも上か?
  6. 人間至上主義の宗教戦争
  7. 電気と遺伝子とイスラム過激派
第8章 研究室の時限爆弾
  1. どの自己が私なのか?
  2. 人生の意味
第9章 知識と意識の大いなる分離
  1. 無用者階級
  2. 87パーセントの確率
  3. 巫女から君主へ
  4. 不平等をアップグレードする
第10章 意識の大海
  1. 心のスペクトル
  2. 恐れの匂いがする
  3. 宇宙がぶら下がっている釘
第11章 データ数
  1. 権力はみな、どこへ行ったのか?
  2. 歴史を要約すれば
  3. 情報は自由になりたがっている
  4. 記録し、アップロードし、シェアしよう!
  5. 汝自身を知れ
  6. データフローの中の小波

感 想

人類の問題であった「飢饉」「疫病」「戦争」は人間の性質と不可分だから解放されることはないそうです。克服しつつはあるようですが。

コロナウイルス、ウクライナ危機と起こり、まだまだ克服はできなさそうに思えてしまいますね。

著者は本書において「知識」の大切さを説いているように思いました。

人類が繁栄している理由は知識があるから。

富の源泉は、知識

人の最大の資源は知識

最も偉大な科学的発見は無知の発見

行動に変化を及ぼさない知識は役に立たない。

私たちを束縛するものは自らの無知以外なにもない。

過去を学ぶのは過去から解放されるため。

人類は知識を武器に繁栄し、経済成長してきました。そして今は経済成長は一つの宗教であると著者は言います。資本主義宗教。

その宗教は満足することを知らず、人間本来の大切なことを蔑ろにしながらも、止まることができません。それはブレーキのある場所も、踏み方も誰も知らないから。

恐ろしいですね。ものすごいスピードで走る車。ブレーキは踏めない。今や人類はそのハンドルすら握れていないのではないかと思ってしまいます。

だから今、世界の知識人は資本主義を叩いているそうです。そんな話はよく聞きます。

確かに資本主義は人類の発展に貢献してきた。でも、取り返しがつかなくなる前になんとかしなければ、と。

人間至上主義では、「考えること」が何よりも重要になります。

思考の整理学」で外山滋比古さんが言っているように、グライダー人間ではなく、飛行機人間を目指さなければいけません。

学校の教育も最近はそのようになってきていたり、モンテッソーリ教育が流行ったりしています。

ちなみに僕は「考える」とは、「紙に書くこと」と定義しています。

頭の中だけで完結できる人もいるとは思いますが、僕は無理です。

紙に書くことで、思考が整理され、可視化され、アウトプットとなる、と思っています。

未来は決して暗くない。

そして未来は不死と至福により、人類は神に成ります。

生物工学、サイボーグ工学、非有機的生物工学を駆使し、少しずつ人間では無くなっていきます。

そんな話、ダン・ブラウンの本でも、あったような気がします。頭の良い人たちは同じような考えに至るのでしょうか?

面白い部分もありましたが、僕には難しくて理解できない部分もありました。僕がわかったのは、勉強は大事で、アウトプットとして行動しなければいけないということでしょうか。

上下巻と分厚く、人類の過去から、その未来までをみつめて、歴史学者である著者の考えが記載されています。とても勉強になりました。

著者は未来を悲観しつつ、そんな未来を回避することもできる、と言っています。

僕も、幸せな未来を掴むためにはどうすればいいのか、考えていきたいと思います。

そのために、勉強しなくちゃいけないってことですかね!

メ モ

アルゴリズム=計算し、問題解決し、決定に至るために利用できる一連の秩序だったステップ。