道尾秀介さんの「スタフ」を読み終えたので感想とあらすじ紹介します。
あらすじ
訳あって、姉の息子である智弥と同居している夏都。
離婚したばかりの夏都は、移動デリでランチを販売し、生活していた。
そんなある日、見知らぬ男に拉致され、あるメールを消去しろという謎の脅しをかけられる。
人違いで拉致されたことがすぐに発覚するが、事件はそこから意外な展開へ――。
感 想
スタフの意味は、「不規則なコロニーを形作りがちである球形のグラム陽性の寄生虫細菌」だそうです。はて、そのココロは・・・・・・。
物語の途中(序盤)で黄色ブドウ球菌に触れる場面があり、要するに不可逆性のことをタイトルに込めたのだと思う。
不可逆性とは元に戻らないこと。覆水盆に返らず。エントロピー。
エントロピーって「魔法少女まどか☆マギカ」で初めて聞いた単語で、難しくて良く理解できてない。
何が言いたいかっていうと、魔法少女まどか☆マギカは面白いってこと。
絵が萌えなので最初抵抗ある人はいると思うし、ぼくもそうでしたが、その萌え絵とのギャップあるストーリーが秀逸で最高に面白かった。
まあ、本書にはエントロピーって単語も出てこないんだけど。
そういえば、感想を書いてたんだった。スタフの。
ぼくはタイトルを結構気にしてしまうので、まずはそこから考察しました。
本書のキーは不可逆性。
起こったことは、無かったことにはできない。これは人生の教訓だね。
無かったことにはできないけれど、それでも前を向いて生きていかなくちゃ。
過去は過去、そして今。今の積み重ねが未来。
そんな当たり前のことを考えさせられる内容でしたとさ。
道尾さんの作品らしく、二転三転あって、面白かった。
次は「スケルトン・キー」読もうっと。
ゆくりなく
ぼくは学がないので小説で初めて知る言葉が結構ある。
本書では「ゆくりなく」が初見の単語でした。
意味は「思いがけなく、偶然に」だそうです。
良本との出会いはゆくりないもの。とかって使うのかな?