誉田哲也さんの「オムニバス」を読み終わったので、感想とあらすじ紹介します。
あらすじ
オムニバスとは「抱き合わせ」とか、「いくつかのストーリーを並べて、全体で一つの作品にしたもの」だそうです。
そのとおり、7話からなる短編集でした。
現在の姫川班の人達の視点でいくつかの事件が描かれています。
帯より
警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査第十一係姫川班。事件がなければ休日も待機もシフトどおりにとれるのだが、そううまくはいかない。各署に立てられた特捜本部に入ることもあれば、人手が足りない所轄の応援に回ることもある。激務の中、事件に挑み続ける彼女の集中力と行動が、被疑者を特定し、読むものの感動を呼ぶ。だから、立ち止まるな、姫川玲子。
人の悪意はなくならない。
それが嫌なら無人島
姫川視点の話。
前回のノーマンズランドの片づけ的な話でした。
個人情報の取り扱いに注意ですが、個人情報を一つもどこにも出さずに生きていくことはできないですね。
「それが嫌なら無人島」ですね。
六法全書
中松信哉視点の話。
幸せとは。ほどほど。足るを知る。
姫川の凄さがわかる話でした。推理力、行動力。そして人柄。
僕も暇つぶしに難しい本でも読んでみようかな・・・・・・。
正しいストーカー殺人
姫川視点の話。
ストーカー殺人とは、ストーカーが殺人すること?ストーカーが殺されること?
正しいストーカー殺人とは何か。
赤い靴
日野利美視点の話。
自首してきた女。人を刺し殺した、と。
索条痕と刺し傷、どっちが先?
自殺か、殺人か。
姫川の小説嫌いの話や、日野さんが活躍する場面もあって、面白かったです。
日野と姫川が少し仲良くなってよかったです。
青い腕
姫川視点の話。
全ては誰かのために。
「物差しが自分の充足感だけになると、それが歪んでいようが捩れていようがかまわなくなってしまう。誰かのためにがあると整ってくる。」って感じのことを日野さんが言ってました。
自分の仕事や人生も自分のためだけではなく、誰かのためにしていこうと思いました。
物差しを整えるために。
根腐れ
小幡視点の話。
姫川の中で小畑はお馬鹿さんなんですね。
水をあげすぎて花を枯らしてしまう。
人の世話を焼きすぎるとその人のためにならない。
人や子供を育てるときも同じですよね。ある程度は任せないと人は成長しません。
突き放すことも愛だと。
それって読唇術?
姫川さんもダジャレ言うんですね。
前作登場の武見諒太との話。武見の過去が明らかになり、姫川さんとの関係にも進展がありそうな・・・・・・。
なんであれ、姫川さんには幸せになってほしいです。
感 想
いつもの作品の重さとは全然違う感じで、明るい話が多かったです。とは言っても殺人事件は起きますが・・・・・・。グロ描写がないから明るく感じるのかな。
次の大きな事件への箸休め的な作品ですかね。
姫川班のいろいろな面が見られて面白かったです。