「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事はなぜ増えるのか」を読み終わったので感想を書きました。

著 者酒井 隆史
発行者鈴木 章一
発 行講談社
初 版2021年12月20日
ページ数254

著者は『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』の訳者。

訳書は非常に難しい本なので、解説書として本書を読んでみました。本書でもだいぶ難しい部分が多かったので、ぼくが読んで理解できた範囲で感想を書きたいと思います。

「クソどうでもいい仕事」に悩んでいる人はぜひ読んでみてください。面白かったですよ。

ブルシット・ジョブとは

「取り巻き」「脅し屋」「尻拭い」「書類穴埋め人(お役所仕事)」「タスクマスター」

現在の分類はこの5つだそうです。説明を聞けば、ああ納得って感じのものばかりです。

そして、これ以外にもたぶんありえるだろう、ということみたいです。

要は、まだ解明しきれていない、新しい理論みたいですね。

ブルシット・ジョブとは「完璧に無意味で、不必要で、有害でさえある雇用の形態」50p

ブルシット・ジョブが生まれる理由

なぜブルシットジョブが生まれるのか。

それは「人を雇う」いわゆる「雇用」という形態ができたから。

人を雇うとは、その人の時間を買うこと。だから雇い主としては、買った時間内は働いてもらわないと、損。

だから時間をつぶすための仕事が増える。仕事のための仕事。「労働」という状態に置くためだけの仕事。なんかこれってサイの河原の石積みたい。労働が人類にとっての罰ってのもなんとなくわかるなあ。

ブルシット・ジョブを感じるのは、雇用されてる人、つまり「サラリーマン」や「公務員」に多い。

これは自分で仕事を「統制」できないことにも起因する。確かに、自分で仕事コントロールできてるときは楽しいもんね。

昔はブルシット・ジョブは存在しなかった。働く時は働く、休むときは休むっていうのがはっきりしていたから。メリハリがあったから。要はブルシット・ジョブに苦しんでいる人は、個人事業主になるしかないってことですかね。

なぜブルシット・ジョブが苦しいのか

仕事で大切なことってなんだろう。

「公益性」「自己の成長」「社会貢献」「お金を稼ぐ」

いろいろあるだろう。その中でも「自己の獲得」には「原因となるよろこび」が存在するらしい。世界に影響を与えるような、意味があること。少しでもいいとは思うけど、世界に「違い」を創ることが必要だと、筆者は言っている。

ぼくは家族を養っていくだけの給料がもらえれば、ブルシット・ジョブでも全然苦しくないけど・・・・・・。本書で紹介されるような楽勝な仕事ならね。

まあ、やらされる仕事より自分でやる仕事の方が楽しいのは同意だけど。

なぜエッセンシャルワーカーは低給なのか

それは「エッセンシャルワークはそれに就いてるだけで幸せだから」らしい。

他者に貢献できる仕事に就いてるのに、さらに高い給料もらおうってのか?ってのが社会の総意みたい。

でもそれは少し変じゃないかな。保育士の低賃金は問題になってる。上記が理由なら、ちゃんと満足いく給料をあげるようにしてほしいものだ。他者に貢献せずに高級取ってるヤツの金を流してほしいものです。「○○議員」とかの。

本当に他者や社会に貢献している人達が、満足できるような社会になってほしいものです。

まとめ

ぼくも、自分の仕事が本当に社会や他人に貢献できているのか悩んでいます。

本書にはそうした人たちのストーリーも盛り込まれています。共感できる部分があるのではないでしょうか。

仕事は楽しむのが一番なのはわかりますが、そうもできないのが現実。

ブルシット・ジョブとも共存していくしかないのではないでしょうか。

本書を読んで良かったのは、今の世の中、そうしたことで悩んでいる人がいるってことを知れたこと、ブルシット・ジョブというものが定義づけされたことを知ったこと、ですかね。

正体がわかれば、対処や納得ができるものと思います。